韓国・尹錫悦前大統領、弾劾後に釈放──韓国民主主義の岐路に立つ

2025年3月8日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は、ソウル中央地方裁判所の決定により拘束から52日ぶりに釈放されました。尹氏は2024年12月、突如として「非常戒厳令」を発令し、一部軍部と連携して政敵を排除する強硬措置をとったとして、「内乱罪」などで起訴されていました。

この行為に対して、韓国国会は即座に弾劾案を可決。憲法裁判所も2025年4月4日、全会一致で弾劾を認め、尹氏は正式に大統領職を失いました。韓国史上2人目の弾劾罷免された大統領となった瞬間でした。

尹氏の釈放は、裁判所が「勾留継続の法的根拠が不十分」と判断したためであり、有罪・無罪が確定したわけではありません。現在も尹氏は、在宅で刑事裁判に臨むことになります。

釈放後、尹氏は拘置所前で支持者らに手を振り、「この国の自由と秩序は必ず守られる」と短くコメント。多くの支持者が歓声を上げる一方、市民の間では「法を踏みにじった者を許すな」とする抗議の声もあがっています。

この一連の出来事は、韓国社会に大きな衝撃を与えており、民主主義・法治主義の行方を占う重大な転換点として、国内外で注視されています。弾劾後60日以内に行われる新大統領選挙により、韓国の政治情勢は再び大きく動くことになるでしょう。

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