メリーランド州は、10年間で総額3,800億ドルの教育改革計画「未来のための青写真(Blueprint for Maryland’s Future)」を進めていますが、2025年5月に一部の改革内容を調整する法律を施行しました。この調整は、州の財政赤字や教育現場の実情を考慮した結果です。
主な調整内容
- 教師の「共同作業時間」の導入延期:教師の計画時間を増やすための「共同作業時間」の導入が3年間延期されました。これは、教師不足や予算制約を背景にした措置です。
- 英語学習者(ELL)支援プログラムの資金凍結回避:英語を学ぶ学生を支援するプログラムの資金凍結は回避され、当初の予算が維持されました。
- 地域学校への資金提供の維持:低所得層の学生が多く通う地域学校への資金提供は維持され、地域ごとの教育ニーズに対応するための柔軟性が確保されました。
- 教師の採用・育成支援:州外からの教師を対象に最大2,000ドルの助成金が提供され、教師の採用と育成が強化されました。
財政的背景と今後の展望
2024年12月、州の財政当局は2026年度に27億ドルの赤字が見込まれると報告しました。これを受けて、ムーア知事は一部の改革を調整し、教師の採用・育成に重点を置く方針を示しました。その結果、教育改革計画の一部が調整されましたが、基本的な方針は維持されています。
今後、州政府は教育改革の進捗を監視し、必要に応じて追加の調整を行う予定です。教育現場のニーズと財政状況を踏まえた柔軟な対応が求められます。