2025年5月10日、イスラマバード/ニューデリー発 — インドとパキスタンは、両国間の激しい軍事衝突を受け、即時の全面停戦に合意したことを発表しました。この合意は、両国の軍事作戦司令官(DGMO)レベルでの電話会談を経て成立し、国際社会からは歓迎の声が上がっています。
停戦の詳細と合意内容
- 発表時刻:2025年5月10日午後5時(インド標準時)
- 主な合意内容:
- 国境沿いの一切の軍事行動の停止
- 両国間の軍隊の引き離しの検討
- 軍事ホットラインの再開
- 民間航空の安全な運航再開
- 仲介国:アメリカ、サウジアラビア、カタール、イギリス、国連、中国など36カ国が仲介に関与
停戦後の状況と懸念
停戦発表直後、インディア・カシミール地方のスリナガルやジャムの都市で爆発音が報告され、両国は相互に停戦違反を非難しました。インドの外交長官ヴィクラム・ミスリ氏は、パキスタンによる越境砲撃やドローンの飛行を指摘し、パキスタン側に対応を求めました。一方、パキスタンの情報大臣アッタウラ・タラー氏は、インドの報道を「根拠のないもの」と否定し、両国間の緊張が続いています。
国際社会の反応
アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、SNSを通じてインドとパキスタンの指導者を称賛し、停戦合意を「歴史的で英雄的な決断」と評価しました。また、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官とJD・ヴァンス副大統領は、両国の指導者と直接対話を行い、停戦の成立に貢献したと報じられています。
インド国内の反応と今後の展望
インディア・カシミール地方では、停戦後に商店が再開されるなど、平穏が戻りつつあります。しかし、インドのナレンドラ・モディ首相は、停戦はあくまで「軍事行動の一時停止」であり、今後のテロ攻撃に対しては再反撃の可能性があると警告しています。モディ首相は、パキスタン支配下のカシミール地域やテロ問題を今後の対話の中心に据える意向を示しています。
パキスタンの立場と声明
パキスタンのシェバズ・シャリフ首相は、停戦合意を「歴史的な勝利」と位置づけ、パキスタンの主権が尊重される限り、平和的な対話を歓迎すると述べています。また、パキスタン側は、インディア・カシミール地方での爆発音をインド側の停戦違反と見なしており、双方の主張が食い違っています。
今後の展開と課題
停戦合意は、両国間の緊張緩和に向けた重要な第一歩と評価されていますが、依然として課題は残っています。特に、カシミール問題やテロ対策、インダス川条約の再開など、多くの懸案事項が存在します。今後の対話が、持続的な平和構築に向けて進展するかどうかが注目されます。